2020-07-07
#加賀友禅工程 スケッチ〜染上がりまで 太田正伸(昌伸)の仕事
【加賀友禅製作工程】当工房での加賀友禅は、どの様に作られているのか工程を追いながら紹介していきます。
【スケッチ&構成】
スケッチを元に、イメージや感じた事を想いながら、いろいろなデザイン構成を考えます。
【構成&下図完成まで】
何度も構成し描く題材が決定したら雛形をつくりイメージを確認します。その後、実寸サイズで仮下図を描き細部を調整します。清書をして本下図の完成です。
【下絵】
ツユ草科の在来作物「青花」の花を絞り、汁を和紙に浸み込ませ乾燥させたものを「青花紙」と言い下絵に使います。ガラス机の下からライトをあて、面相筆を使い、程よい濃さで滲みのない線を描きます。下絵の技術習得期間は、約1ヶ月〜3ヶ月ほど。
*青花紙は2020年現在、滋賀県草津市で中川さん(90歳)がお一人で生産されています。そのため草津市では保存継承に取り組んでいます。
⭐️下絵動画
⭐️青花紙つくり体験 http://studio-mon-an.com/koubou/2195.html
【糊置き】
「友禅とは糊を置き防染する技法の一つ」一般的に「糸目」(いとめ)を引く、といいます。当工房では、でんぷん質の「もち糊」と化学性の「ゴム糊」を使い分けております。もち糊は柿渋筒、ゴム糊はセロハン筒で、筒の先に「先金」(さきがね)を装着して、親指と人差指で絞り出しながら引きます。
⭐️糊置き動画
糸目を引き終えると「地入れ」・「青花落とし」をして糊置きの完成です。地入れは糊を生地に食い込ませ防染力を上げるためにします。この時、青花が消えて無くなります。糊置きの技術習得期間は約3年〜5年ほど。
【彩色】
いよいよ彩色です。加賀友禅は「花鳥や風景」など「加賀五彩」・「虫食い」・「外ボカシ」などの特徴が一般的です。当工房では、その特徴に囚われず、いかに感じたものを、どの様に表現するか、色合いやデザインも含め作家独自の表現や雰囲気を大切にしています。
彩色机は穴が空いており、下から熱をあて乾かしながら彩色をします。冬は暖かいけど、夏は暑い!彩色筆や刷毛は色により使い分け、主に片刷毛(片方が長くなっている)を使いボカシをします。
⭐️彩色動画
●加賀友禅とは? http://studio-mon-an.com/koubou/2114.html
彩色は糸目の半分まで塗る気持ちで「透かさず、はみ出さず」が基本です。一つ一つ丁寧な仕事の積み重ねが作品となっていきます。彩色の技術習得は約3年〜5年ほど。
【仮蒸し・中埋め】
彩色を終えると蒸し室にいれて「仮蒸し」(色の定着のため)をして、その後「中埋め」(彩色をした模様部分を糊で埋める作業)です。
中埋め用の筒は大きめな物を使い、先金も使い分けます。
糸目糊との隙間が無いよう、はみ出さないように伏せていきます。大きな場面ではスプーンで直接伏せることもあります。この中埋め糊を「伏せ糊」と言います。
糊の中に気泡があると染めの段階でトラブルが発生したりするので糊の中の気泡が残らないよう針でつぶします。
糊の強度を上げるため友禅糠・ひき粉(杉やヒノキの木屑)を掛け、乾かします。
【地洗い・引染め(地染)】
中埋めの糊が乾いたら、タワシで余分なひき粉を落とし、地洗いをして伏せ糊を落ち着かせる。乾いたら、いよいよ「地染め」です。
地染めが始まると、一反分引終えるまで中断はできません。1回目の染が終わると再度、均し染をします。この時抜け落ちた刷毛毛など箒で払い、染液が偏らないように平行に張り乾かします。染め方には「引き染」や「ボカシ染め」などあります。染の技術習得は約3年〜5年。
【本蒸し・水元(友禅ながし)・ゆのし】
染め上がったら「蒸し室」に入れ蒸気を当て色を定着させます。この工程を「本蒸し」と言います。蒸しを終えると「水元」(水洗い)をして糊や余分な染料を落とします。一般的に「友禅流し」といい、以前は犀川(男川)、浅野川(女川)で行われていました。現在は地下水を汲み上げた人工川で行われています。この後、乾燥させ「ゆのし」(蒸気でシワを伸ばしたり反物の幅を整える作業)をかけ仕上がりです。
仕上がり部分
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にっぽん真発見 BSテレ東 2015年4月 5日放送
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遠くへ行きたい 2016年4月17日放送
http://www.to-ku.com/midokoro/2303.htm
http://www.to-ku.com/data/data.htm